工事成功コラム集

建設業界に求められる「働き方改革」-改修工事の現場から考える未来

私は建設業界、とりわけ大規模修繕・ビル改修を手がける企業にとって、働き方改革の推進は避けて通れない問題だと思っています。
社会インフラや都市空間を支える私たちの仕事は、長年にわたり「人」に依存してきました。しかし今、その「人材」が危機に瀕しています。

人材不足という深刻な現実
人材の確保

建設現場では熟練技術者の引退が進む一方で、新たな担い手が思うように集まりません。特に改修工事の現場は、既存建物の構造を読み解く力、柔軟な対応力や創造力が求められるため、ある程度経験値がものを言う職種です。
しかし、建設業の就業者数は減少の一途をたどっており、2025年には約90万人もの人手が不足すると予測されています。
改修工事の現場においても「人が足りないから工期に遅れが出る」「安全管理や品質管理に余裕がない」といった課題が顕在化しており、対策が急務となっています。

長時間労働を見直さなければ、建設業界の未来はない

主に建設業の長時間労働は厳しい工期設定、人手不足が原因であるとされています。
日本全体の平均的な年間労働時間が1,600時間台であるのに対して、建設業では2,000時間近くになるとも言われています。
このような働き方では、若い人たちにとって魅力を感じにくく、優秀な人材が他の業界へ流れていってしまうという悪循環を生んでしまいます。
■「書類」や「制限」が多すぎる
道路に資材を置いたり駐車したりする許可や労基署への届出など、官公庁への提出物が多く、いまだに電子化がされておらず書類の作成に多大な労力を要します。
アスベストや墜落防止措置に関する書類や制限もここ数年で始まり、企業の負担は年々増加しています。

■少子高齢化と「継承」の危機
建設業界全体の高齢化も、改修工事の現場では特に深刻です。2022年時点で55歳以上の就業者が全体の3割を超え、29歳以下はわずか1割強。
改修工事は「新築より難しい」と言われる分野であり、この技能の継承がなされないまま熟練者が引退すれば、日本の建物の維持・再生は立ちゆかなくなります。
「工事の現場で若者が活躍できる環境づくり」は、今を生きる企業に課せられた最大のミッションの一つだと思っています。

デジタルの力で、改修工事の働き方をもっとスマートに
デジタルの力で、改修工事の働き方をもっとスマートに

2024年から、建設業界でも残業時間の上限が厳しくなったことで、これまで以上に効率の良い働き方が求められています。
特に、都市部での大規模な建物改修やビルのリニューアル工事では、工期が短く、現場にもさまざまな制限がある中で作業を進めなければならず、昔ながらの人手に頼ったやり方では限界が見えてきます。
そこで今、注目されているのが「DX(デジタル化による業務改善)」です。
DXとは、パソコンやネットなどのデジタル技術を活用して、仕事のやり方そのものを見直す取り組みのことです。
サンウォールの現場では、こんなものが導入されています。

・数量拾い、積算の専用ソフト
・足場の仮設図面作成専用ソフト
・外壁補修図作成専用アプリ
・ドローンを使用した外壁調査
・外部アクセスシステムやクラウドを利用し工事の書類の共有
・社内アプリで申請や出退勤などを電子化

こうしたデジタル技術を取り入れることで、人海戦術でこなしていた作業をなくしたり、ムダな作業や待ち時間が減り、スマートに働くことができます。
働く時間が適正になれば、職場の魅力もアップし、なかなか集まらなかった人材の確保にもつながります。
サンウォールはこのようなデジタルの力を「安全で効率的な改修工事」に活かすことが、これからの建設業界を支える大きなカギになると考えているため、積極的に導入しています。

令和の時代に合った「建設業の新4K」の会社、それがサンウォールです
デジタルの力で、改修工事の働き方をもっとスマートに

長年にわたって建設業は「3K(きつい・汚い・危険)」と呼ばれてきました。今でもこうしたイメージが根強く残っているかと思います。
しかし、今後の建設業界が持続的に発展していくためには、働く環境の抜本的な改善が欠かせません。
そこで国土交通省と経団連が提唱しているのが、「新3K」です。
①給与(高収入):スキルに見合った適正な報酬を実現
②休暇(しっかり休む):週休2日や長期休暇の確保
③希望(将来性):成長できるキャリアパスや学びの機会を提供

①給料が高い
②休暇多め
③若手が多く希望がある会社
④かっこいい


サンウォールではこの「新3K」ではなく「新4K」を目指し社員が、安心して働き、成長できる環境づくりに取り組んでいます。
単なるイメージ刷新ではなく、実態としても魅力ある職場をつくることで、若手や未経験者にも「ここで働きたい」と思ってもらえるよう努めてまいります。