工事成功コラム集

ビルの大規模修繕工事・改修工事の築年数別対象部位は?

ビルの修繕工事・改修工事で注目したいのは部位毎の耐用年数の目安!
多くの人が利用するビルを、適切かつ安全に管理・運用するために、定期的な大規模修繕工事は欠かせません。
ビルの修繕工事をする際の、対象部位、その耐用年数には目安があるのでしょうか。

ビルの修繕工事・改修工事の対象部位の耐用年数は、屋上やバルコニーの防水機能は約10年、タイルなどの外壁塗装も約10年です。手摺りや鉄製の階段、非常扉、消火栓ボックス、エレベーター扉などの鉄部は3~5年。電気設備、給排水設備、空調設備などは、設備に応じて10~30年となります。
ビルの修繕工事・改修工事、部位毎の耐用年数の目安
ビルの築年数ごとでは、どの部位の修繕・改修が必要となるのでしょうか。
ビルの築年数が4年目から6年目には、劣化が見られ始める部位が出てきます。特に鉄部塗装が劣化したり、鉄部の錆が発生するようになりますので、修繕を行いましょう。
その際、建物点検報告書を確認しながら、鉄部を中心に劣化している部位を確認して、他にも修繕の必要がないかを判断し、今後の大規模修繕工事に向けての長期修繕計画を見直すとよいでしょう。


ビルの築年数が7年目から10年目は、鉄部に加えて屋根や屋上、給水ポンプ、雨水排水ポンプの劣化が出てきます。
まずは検査を行い、劣化具合に応じ、部位の想定寿命を待たずに修繕することが大切です。
大規模修繕工事に向けての準備を始める時期
大規模修繕工事に向けての準備を始める時期になるので、建物点検報告書を確認の上、建物全体の現状を把握するようにしましょう。
また、大規模修繕工事を実施する具体的な時期を検討するために、建物診断をお勧めします。


ビルの築年数が11年目から15年目くらいに、第1回目の大規模修繕工事を行います。
修繕部位は多岐に渡り、鉄部、外壁、屋上、電灯設備、廊下、階段、バルコニー、インターホン、TVアンテナ、消火栓、エントランス、機械式駐車場、付属施設、車道・歩道、植栽など、さまざまな箇所が対象となります。
建物診断を事前に実施し、特に修繕が必要と判断された部位を重点的に対応しましょう。
第1回目の大規模修繕工事
1回目の大規模修繕工事以降は、各部位で経年劣化が目立つようになります。今後の修繕を軽減するためにも、この時期の大規模修繕工事が大切です。


ビルの築年数が16年目から20年目は、大規模修繕工事後に発生する劣化対応です。
部位としては、劣化しやすい鉄部や耐用年数を過ぎた箇所をメインに、屋根、火災感知器、機械式駐車場、給水ポンプ、雨水排水ポンプなどを修繕することが多いようです。
メンテナンスとしての改修工事
ビルの築年数が21年目から25年目くらいに、2回目の大規模修繕工事を行います。
第1回目の修繕工事と同様に、事前に建物診断を行い、建物の現状に応じて修繕箇所を検討します。
また、時代の移り変わりや社会の変化とともに、住宅の水準も向上していくため、耐震性や断熱性など建物や設備の性能を新築時の水準から向上させる必要も生じます。
そのため、修繕よりも改修の割合を大きくすることが多いようです。
修繕部位は第1回目の部位にエレベーター、給水管、雑排水管、給水ポンプ、雨水排水ポンプなどが加わります。


ビルの築年数が26年目から30年目は、エレベーターの交換時期です。2回目の大規模修繕工事で交換していない場合は、最新の設備点検報告書を確認し、交換時期を検討しましょう。
ビルの築年数が31年目から40年目は、3回目の大規模修繕工事を実施する時期です。
これまでの修繕箇所に加えて、ドア・サッシ・手すりなどの交換について検討が必要です。
また、性能面・機能面・材質面の更新や改善を行うために、2回目の大規模修繕工事の時よりも改修の割合をさらに大きくすることが重要になります。