ビル・マンションの大規模修繕を長周期化するとお財布にも地球にも優しい!
マンション・ビルの大規模修繕工事を長周期化するとどうなる?
ビルやマンションの大規模修繕工事は定期的に行わなければなりませんが、近年は高耐久材料を使用することで、大規模修繕工事の頻度を少なくする長周期化が謳われています。大規模修繕工事を長周期化することで、費用が少なくなるのはもちろん、CO2削減につながります。大規模修繕工事中はマンションの居住者・ビルの利用者にストレスを与えることが多いため、その負担も軽減されます。メリットがある一方、デメリットもあることを忘れてはいけません。
大規模修繕工事の頻度が少なくなる高耐久マンション・ビルとは?
これまで、大規模修繕工事の目安は12年程度とされてきました。近年は使用する建材や建築技術の工夫により、大規模修繕の周期を18年に伸ばしても、安全で快適な環境を維持することができるようになってきています。仮に60年間建物を使用するとしたら、12年毎に大規模修繕工事を行う場合、4回の実施が必要になりますが、18年周期なら3回で済みます。屋上に高反射塗料を使用し蓄熱を防止する、外壁に躯体の変形の影響を受けにくい素材を使用する、シーリングに耐候性・耐久性に優れた素材を使用する等の工夫をすることで、マンション・ビルを高耐久化することができます。
マンション・ビルの大規模修繕長周期化によるメリット
マンション・ビルの大規模修繕の費用は、分譲マンションであれば居住者の方が月々積み立てるなどして負担し、大きな費用がかかります。大規模修繕工事や大規模改修工事では、足場が必要になりますが、その足場の設置や撤去にも費用が掛かります。ましてや仮設足場は工事が終了したら解体するため、いくら費用をかけてもお客様の利益(資産)にはなりません。大規模修繕の長周期化により工事の回数が減ることで仮設足場の費用が削減できます。また、マンション・ビルの大規模修繕工事は、着工から竣工まで数か月はかかります。工事期間中は足場が組まれたり、シートやネットで覆われたり、騒音なども発生します。そのため、マンションの居住者、ビルの利用者の方には、不便やストレスが掛かります。大規模修繕工事の長周期化で住民の方のストレス発生要因の回数も減らすことができます。マンション・ビルの大規模修繕工事には、建材や塗料など、多くの材料が必要になりますが、大規模修繕の長周期化で工事材料の資源保護の他、建材の製造過程で発生するCO2削減にもつながります。
マンション・ビルの大規模修繕長周期化によるデメリット
マンション・ビルの大規模修繕の長周期化はいいことづくめのように感じられますが、メリットがあればデメリットもあります。それは一回当たりの工事費用が高額化することや、見えない不具合が放置されるリスクです。大規模修繕を長周期化することで、普段の表面的なチェックやメンテナンスでは見つけることのできない内部の不具合が、長期にわたり放置されてしまう可能性があります。高耐久マンション・ビルは、大規模修繕が長周期化されていることを前提に、普段のメンテナンスやこまめな修繕をしっかり行うことが大切です。また、高耐久マンション・ビルであるために、品質の高い材料を使っていることから、修繕時の材料費も割高になります。建設時は、1回の修繕費用の高額化より、修繕回数が減ることによる費用削減効果の方が高いと判断されますが、材料費が高騰する可能性もあり、注意が必要です。
CO2削減等の環境問題への意識が高まっている昨今は、マンション・ビルの大規模修繕工事を長周期化する動きが見られます。費用面では長周期化が必ずしも得策とは言い切れませんが、長期的に見ると高耐久マンション・ビルが評価されていると言えるでしょう。
マンション・ビルの大規模修繕長周期化については、