失敗しないマンション大規模修繕のコンサルタント選び
近年、マンションの大規模修繕において主流となっているのが「設計監理方式」とは、大規模修繕工事の「設計・監理」を設計士(コンサルタント)が担い、「工事」を施工業者が担当する分離発注の仕組みを指します。
この方式の最大のメリットは、チェック機能が働くことです。設計と施工を分けることで、手抜き工事の防止や品質確保が期待できます。
また、専門知識が必要な施工業者の選定や、住民同士の合意形成のサポートなど、着工前から竣工後までトータルな支援を受けられるのが魅力です。
しかし、その一方で「不適切コンサルタント」による被害も報告されています。管理組合に不利益をもたらす悪質な業者を避け、信頼できるパートナーを選ぶことが、大規模修繕工事成功の絶対条件となります。
まず、コンサルタントを選ぶ前に、彼らが具体的にどのような仕事をするのかを把握しておきましょう。
業務内容を知ることで、依頼時のミスマッチを防げるからです。
①建物・劣化診断の実施
建物の健康診断を行い、修繕の必要性や優先順位を明確にします。
②公平な施工業者選びのサポート
専門知識のない管理組合にとって、見積書の比較や業者の実力判断は困難です。
コンサルタントは、中立的な立場から業者の選定基準を提示し、最適なパートナー選びをアドバイスします。

③工事品質のプロによるチェック(工事監理)
計画通りに工事が進んでいるか、手抜きはないか、プロの目で現場を厳しく監理します。
④合意形成のコンサルティング
マンションの大規模修繕には、区分所有者の承認(合意形成)が不可欠です。
説明会の運営や資料作成をサポートし、住民の納得感を得ながらスムーズに事業を進める役割も担います。
どの種類の会社に頼むかよりも、「自マンションの状況にフィットするか」が重要です。
以下の基準で選定を行いましょう。
①管理組合のスタンスと一致しているか
「資産価値を高める積極的な改修」をしたいのか、「コスト優先で最低限の維持」をしたいのか。
組合の方針とコンサルタントの提案の方向性がズレていると、ギャップが生まれ、うまく進行しません。

②同規模・同タイプのマンション実績があるか
タワーマンションと低層マンションでは、必要な修繕技術が異なります。
自社と同タイプの物件を数多く手がけ、かつリピート率が高い業者は信頼がおけます。
③「工事をしない」という選択肢を提示できるか
劣化診断の結果、今すぐの工事が不要な場合もあります。
利益のために無理に工事を勧めず、マンションの財務状況や実態に合わせた長期的な提案ができるかが誠実さの指標です。
④公平・中立な「第三者性」を保っているか
最も警戒すべきは、特定の施工業者と裏でつながり、バックマージンを受け取る「不適切コンサルタント」です。
癒着があると工事費が高騰し、監理も形骸化します。完全な独立性を保っているか確認しましょう。
⑤コミュニケーション能力とノウハウ
専門用語を分かりやすく説明し、住民の反対意見にも粘り強く対応できる知見があるかどうかも、スムーズな合意形成には欠かせません。
コンサルタントの探し方は、主に以下の3パターンがあります。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
①インターネット検索と口コミ確認
公式サイトの実績だけでなく、ネット上の評判や実際の利用者の声を確認することで、業者の実態が見えてきます。

②業界誌やウェブサイトでの「公募」
マンション管理の専門誌などで公募をかける方法です。
広く応募を募ることで、管理会社や施工業者との癒着がない中立的な業者を見つけやすくなります。選定の手間はかかりますが、納得感の高い選び方です。
③管理会社からの紹介
手間は省けますが、紹介料が発生していたり、競争原理が働かず費用が高止まりしたりするリスクがあります。
紹介された場合でも、必ず他のルートで見つけた会社と比較(相見積もり)を行うことが鉄則です。










