プロが解説！マンション大規模修繕で「高圧洗浄」が欠かせない2つの理由
マンション大規模修繕工事では、見栄えを左右する外壁塗装やタイルの張り替えが注目されがちです。
ですが実は、その前に実施される「高圧洗浄」が、工事全体の品質を左右する非常に重要な工程です！
「単なる汚れ落とし」と思われかねない高圧洗浄は、建物を長持ちさせ、工事の仕上がりを最高のものにするために欠かせないプロセスです。
この記事では、マンション大規模修繕における高圧洗浄の重要性を、プロの視点からわかりやすく解説します。
「高圧洗浄」とは、専用の機械で高圧の水を噴射し、外壁や床にこびりついた汚れを効率的に除去する洗浄方法です。長年の風雨にさらされて蓄積したほこりや排気ガス、苔やカビなどを、薬品を使わずに短時間で一掃できます。
最近では家庭用の高圧洗浄機も普及していますが、建物の外壁洗浄では、エンジン式の水圧がとても高い洗浄機を使用します。不適切な水圧やノズル選定は、汚れが落ちないだけでなく、その後の塗装や防水の品質にも悪影響を与えます。
建物の状態を正確に見極め、最適な洗浄を行うためには、経験豊富なプロの業者に任せることが非常に重要です。
中には『高圧洗浄は不要』などと言う業者もいますが、メーカーの手順書や公共建築改修工事標準仕様書にもそのようなことは一切書いていません。ただの手抜き工事なので注意しましょう。
高圧洗浄がなぜそれほど重要なのか、その具体的な理由を2つご紹介します。
②下地処理により、長期的な工事品質を確保する
①汚れを確実に除去し、建物の劣化状況を正確に把握する
長年風雨にさらされたマンションの外壁には、排気ガス、粉じん、苔やカビなどがびっしりと付着しています。
足場を組んで行う大規模修繕工事は、普段は手の届かない高所の外壁を間近で確認できる貴重な機会です。
汚れのないクリアな状態で建物の状態を正確に把握することで、より適切な補修計画を立てることができます。
②下地処理により、長期的な工事品質を確保する
高圧洗浄で汚れをきれいに落とすことは、大規模修繕工事における最も重要な「下地処理」に当たります。
汚れが少しでも残っていると、新しく施工する塗装材、防水材がしっかりと定着しません。
定着が不十分だと、浮いて剥がれやすくなったり、塗装むらや剥がれの原因になります。
高圧洗浄による適切な下地処理を行うことで、修繕箇所が確実に定着し、工事の仕上がりと品質を長期間にわたって維持できます。
高圧洗浄は大規模修繕工事の際に不可欠な作業ですが、専門的な知識と経験が欠かせません。
安全かつスムーズに作業を進めるために、以下の点に注意が必要です。
・マンション住民への影響と丁寧な事前周知
大量の水を使うため、共用廊下や階段が一時的に通行できなくなることがあります。
事前に住民への丁寧な周知を行い、作業時間帯の調整や要望のヒアリングを行うことが大切です。
住民アンケートを実施したり、トラブルが発生する可能性の高い作業日には、マンションオーナーや管理組合が立会い作業状況を確認するなどにより、トラブルを未然に防ぐことができます。
・徹底した漏水対策
バルコニーや窓からの室内への浸水を防ぐことはもちろん、水が飛び散って近隣の建物や通行人、駐車中の車に迷惑をかけないよう、事前の養生と対策を徹底します。
・信頼できる業者選定
建物の状況や汚れの種類に応じた最適な水圧やノズルを選定するためには、専門的な知識と豊富な実績が必要です。丁寧な説明や対応をしてくれる信頼できる業者を選びましょう。もちろん『高圧洗浄は不要』などと言う業者は選ばないようにしましょう。
単なる汚れ落としではない高圧洗浄は、工事の仕上がりを美しくするだけでなく、建物を長持ちさせ、資産価値を守るための重要な第一歩です。
高圧洗浄を適切に行うことで、長期にわたって安心で快適なマンション生活を送ることができます。
マンションの大規模修繕を検討する際は、ぜひ高圧洗浄の重要性にも着目してみてください。
